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小林製薬、「脱創業家」を表明 紅麹再発防止へ専門部署 連続増益の経営目標も撤回
小林製薬は17日、紅(べに)麹(こうじ)サプリメントによる健康被害問題を巡り、創業家依存からの脱却を盛り込んだ再発防止策を発表した。安全な製品開発へ法規を適正に解釈する専門部署も新設する。対応が後手に回った原因に創業家の強い影響力があったとの指摘も出ており、新体制で信頼回復を目指す。経営目標から連続増益を削除し、品質と安全を最優先するとした。
山根聡社長はオンライン記者会見で、創業家が現在も取締役に残り大株主でもある状況について「経営はわれわれの思う方向性に変えていき、行動と結果を見ていただくしかない」と説明した。再発防止策では「同調圧力が働きやすく、多数の役職員が創業家の意向を酌んで業務遂行する傾向があった」とした。
連続増益の削除について山根氏は「目標が足かせになって、品質安全に必要な投資ができない状態は避けたい」と述べた。増益目標と健康被害の関連は否定した。
再発防止策では、法令やガイドラインを適正に解釈する専門部署を新設する。短期的な人事ローテーションや、売り上げや経費削減を重視した人事評価制度を見直すほか、社外取締役との情報共有を深めるため執行側との定例会議を設けることも決めた。組織変更などは来年1月以降に実施する予定だ。
紅麹事業は、グンゼから譲渡を受けたため「(小林製薬に)十分な培養関連技術がなく、(グンゼから)移籍してきた技術者に製造管理を依存した」と説明。製造管理体制について「責任の所在が不明確で、経営陣も十分に理解していなかった」と指摘し、現場任せだったと認めた。
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