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小型通信機器がレバノン各地で爆発、2800人負傷 ヒズボラ、イスラエルに報復言明

【テルアビブ=佐藤貴生】レバノンの首都ベイルート近郊など国内各地で17日、小型の無線通信機器が爆発して少なくとも8人が死亡、2750人が負傷した。うち200人が重傷だという。通信機器は親イラン民兵組織ヒズボラなどが使用しており、ロイター通信によるとヒズボラの戦闘員数百人が負傷した。イランのメディアはレバノンに駐在するイラン大使も軽傷を負ったと報じた。

レバノンの情報相が「イスラエルの攻撃」だと非難したほか、ヒズボラはイスラエルが「正当な処罰」を受けると述べ、報復を明言した。パレスチナ自治区ガザの戦闘が広域化する恐れがあり、米国などが懸念を強めている。

爆発は現地時間の17日午後3時半ごろ、ベイルート南郊のダヒエ地区やレバノン南部、ベカー高原東部などで発生した。いずれもヒズボラの拠点がある地域で、ほぼ同時に爆発したとみられる。欧米メディアは、市場で爆発音がして人々が逃げ出したり、路上で倒れこんだ人を救助したりする様子を収めた動画を放映した。

米国政府は爆発に関与していないとした上で、外交的に解決すべきだと述べて軍事的な緊張の高まりに懸念を示した。国連報道官も「極めて不安定」な情勢だと分析した。

爆発した機器は日本では「ポケットベル」と呼ばれるタイプで、ロイターによるとヒズボラはイスラエルによる所在地などの探知を避ける狙いで使用していた。爆発したのは数カ月前に持ち込まれたモデルだという。

イスラエルは爆発に関与したか否かに言及していない。ガラント国防相は16日、ヒズボラとの停戦交渉は時間切れが迫っているとし、レバノンへの攻撃を強化する意向を示唆していた。爆発を受けてヒズボラが報復を表明したことで、複数の航空会社がイスラエルに向かう便の運航を一時停止するとの報道もある。

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