富岡製糸場にキッチンカー、出店者を募集　10月に試行　群馬・富岡市

群馬県富岡市が容認する姿勢を示していた富岡製糸場へのキッチンカーなどの出店(しゅってん)について、市は10日、11月を試行期間として出店者を募ると発表した。軽食や飲料を提供してもらって来場者の満足度向上につなげる。本格実施となれば、西置繭所多目的ホールを除いて恒常的に場内での食事を認める初の事例となっています。

　土日祝日の9日間に各日3事業者を募る。テントなどによる出店も可能。場所は首長館南側で、来場者はテーブルや椅子が置かれたエリアでのみ食事を取れる。市内で製造されたものなど一定の条件を満たせば、酒類も提供できる。

出店は無料で、13～25日に先着順で申し込みを受け付ける。市内外を問わないが、希望日が重なった場合は市内事業者を優先する。売り上げ状況や地元の飲食事業者との調整を踏まえ、本格実施を検討する。

　製糸場は文化財保護の観点から、保存整備が済んだ西置繭所以外での食事を原則として禁じてきた。今回も火気の使用は禁止し、IHヒーターやホットプレートを使うよう求める。

　市は6月にキッチンカー出店を試行的に容認する方針を発表。直後に周辺の事業者から競合を懸念する声が上がったが、市は商店街などに説明を重ねて一定の理解を得たという。

　市富岡製糸場課は「製糸場の見学者が増えれば商店街の活性化にもつながる。製糸場の魅力向上や見学者の滞在時間延伸につなげたい」とした。